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禁煙に関するコラム

野田首相とたばこ増税問題...

広島市立安佐市民病院
名誉院長 岩森 茂

 G20先進国会議で、野田首相は社会保障の機能を強化する上で、また、安定財源を確保するために、2010年代半ばまでに消費税率を段階的に10%まで引き上げることを表明し、これは国際公約であると明快に宣言した。
 しかし一方では、小宮山厚労相が就任第一声で強調したたばこ増税には、首相は批判的意見、すなわちたばこ増税は「オヤジ狩り」と放言しているのである。
 首相は、このオヤジたちの健康被害をどう考えているのか、さらにはオヤジたちが子どもや非喫煙の人たちに大変な受動喫煙害を与えていることは知っておられると思うが?
 国家危急の時に消費税アップを宣言しても、たばこ増税にはまったく言及していなかったことは大いに残念である。アメリカをはじめ、並みいる先進国はたばこ税も高く、たばこそのものの値段も日本に比べ高いことを知っているはずである。
 さて、話は変わるが、野田首相は喫煙者であることを、皆さまはご存知であろうか?野田首相が財務相の時のことである。横浜市内で開かれた討論会で、東日本大震災の復興財源として与謝野経済財政担当相が検討を求めたたばこ税や酒税の増税について、野田氏は国民の理解を得やすいと言われるが、税制を通したオヤジ狩りのようなもので、こんなことをやっていいのかという議論もあると述べ、慎重な姿勢を示したことがある。
 国民の健康を真摯に考える政治家としては、喫煙率を低下させる手段の一つとして、歓迎すべき与謝野発言であったはずである。
 その時点の野田財務相の心中に、喫煙肯定論があったとすれば、彼の発言も「そうかな」と思われるのである。
 聞くところによると、野田氏は大酒飲みで、1日20本のたばこを吸う愛煙家であると紹介されているが、首相になってG20首脳会合に出席し、消費税増税を国際公約として各国首脳の前でぶちまけた以上、首相も心機一転、禁酒禁煙を誓うだけの気概を示してもらいたいのである。
 その上で、わが国が批准しているFCTC(たばこ規制枠組条約)の中に、たばこ消費の削減の条項のあることも勉強して欲しいのである。

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