禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

タクシー禁煙化、その後の課題(2)

広島市立安佐市民病院
名誉院長 岩森 茂

 私は駅構内でタクシーを利用することが多い。たばこ臭はないものと思って乗るが、時に明らかに直前まで喫煙していた臭いのすることがある。ただちに苦情を言うと本人は吸っていないが、直前に乗った客に強引に喫煙されたと言い訳をする。私は禁煙の専門家だが、貴方が吸ったのではないか?と迫ると、それでもしらを切る者がいた。もちろんこの会社はルーズな会社であることが判っているので、今後注意するようにと忠告することもあった。さてタクシー禁煙化に向けて全国的な運動を展開しているタバコ問題情報センター代表渡辺文学氏がタクシー禁煙化などの諸々の情報をまとめておられるので、それを参考にして2、3取り上げてみる。これは平成20年度のデータであることを断っておく。
Q.乗務員の車内喫煙規制は?
A.おおむね守られている38.5%、守らない人も少しいる46.1%、守らない人が少なからずいる7.9%、不明9.9%。
Q.全面禁煙による減収、トラブルは?
A.(1) 運行収入の前年度同月比は?(減少50%、増加8.3%、変化なし41.6%)、(2) この結果は禁煙化と関係があるか?(ある0%、ない91.6%、不明8.3%)、(3) 禁煙化への乗務員の反応は?(好評25%、おおむね好評66.7%、不評0%)、(4) 全面禁煙を実施した結果は?(してよかった100%)となっている。
Q.車内禁煙に関する利用者の意識・態度は?
A.(1) 車内禁煙に協力して下さる100%、吸ってもよいかと聞く方もいる53.8%、無視して喫煙をする0%。
Q.利用者とのトラブルは?
A.トラブルがあった30%(件数1件2協会、3件1協会、約16件1協会など)。
 さて、これからの問題として大きく掲げておきたいことは、非禁煙タクシーの存在は速やかに排除すること、全国乗用自動車連合会におかれては違反事業者へのペナルティー制度を公表すること、禁煙タクシー乗務員が車内で喫煙した場合のペナルティーを課す、乗務員に対しての禁煙教育をぜひ業界として取り組むこと、乗務員が喫煙者か否か、外部から認識できる掲示、また乗務前から終了まで禁煙を守らせるなどを渡辺文学氏が申し入れている。私はさらに各タクシー会社におかれては乗務員のたばこ害知識の徹底と定期的教育、さらには彼らの健康度、有病率など一定期間ごとにチェックして欲しいのである。タクシー禁煙を進めた東京地裁判決(H.17.12)の中に、分煙が不可能な密閉された車内では、タクシー乗務員は乗客の吸ったたばこの副流煙を恒常的に吸わされることによる健康被害は看過できないと述べられていることを各タクシー会社の代表は心に銘記して欲しいのである。まだ、書き留めたいこともあるが、字数に制限があるので、最後に医師会員の皆さま、車内環境のきれいな禁煙タクシーに乗られた時はぜひとも運転手にタクシー禁煙はさわやかで気持ちがいいな!と声をかけていただきたいのである。

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